※なるべくお金や手間をかけずに、シンプルに育成したいという方向けの記事になっています。
※北海道の育成環境が基準になっています。
土の配合
土の配合については、様々なやり方が存在します。もちろん、前提として育成する地域や環境によっても、大きく左右されるものですので、実際、自分の環境にあった配合の仕方で育てるのが一番です。私も2021年頃から園芸を本格的に始め、その間、色々なやり方を試してきました。
(北海道の環境ですので、他の地域では再現性はないかもしれません)
屋内栽培で一番お勧めなのが、赤玉土(小粒)と軽石(小粒)だけの配合です。赤玉土2+軽石1もしくは、赤玉土1.5+軽石1くらいの割合がいいかもしれません。
赤玉土で多少、水持ち・肥料持ちを良くしつつ、軽石で通気性・排水性を確保します。
入手しやすさ、統一できるかがポイントになりますので、初心者の方にはシンプルにこの2種類だけをお勧めします。
ちなみに、マガァンプなどの固形肥料ではなくて、液肥を与える前提の配合になっています。
鹿沼土、ひゅうが土、くん炭、ゼオライトなど様々な良いとされる土の配合も存在します。実際に植物に育成に関しては良いのだと思います。しかし、これらの土を全て用意するのも大変ですし、金額的にも高くなってしまいます。
そしてなにより、同じ土の配合で統一するのが難しくなってしまいます。何か1種類なくなったので、今回はこの種類だけで配合する。など、毎回違う配合になりがちです。こうなると育成環境が統一されず、成長や病気の原因がわかりづらくなってしまいます。
屋外栽培だと、園芸用土(花や野菜の土など)もブレンドした方が成長は良いです。室内でも有効ですが、コバエの発生やカビの発生に悩まされることになります。
化粧砂に関しては、黒い富士砂や、白い寒水砂など、綺麗なものも多いですが、表面の渇き具合がわかりづらく、見栄え以外のメリットはあまりないように思います。赤玉土で覆うというやり方もありますが、化粧砂用の赤玉土を確保しておかなければなりませんので、Instagramに投稿するとか、イベント展示するとかの目的がなければ、化粧砂はなくていいと思います。
鉢について
その流れで言うと、鉢に関しても、なるべく統一した方がいいです。
乾燥の仕方が同じになるので、水やりのタイミングを同じにできます。
お勧めはプレステラ90です。これが基本鉢で、105、120深鉢など大きいものもあります。これは単純に金額が安いというのと、広く流通しているので入手しやすいという理由です。
カントーの白いプラ鉢(A-25、A-30等)や、ミニラン鉢も良いのですが、若干割高なのと、底の穴が少し大きめなので、底から土が落ちやすいです。プレステラのように形が四角の方が、うまく鉢内に収まる植物が多いというのもあります。
大きくなった苗に関しては、菊鉢をお勧めします。菊鉢の5号、6号など大きさも十分あり、金額も200円前後と安価です。
素焼き鉢だと乾燥しやすく、おしゃれな鉢だと鉢が厚く、なかなか乾燥しなかったりと扱いづらい印象があります。厚みも均等でなかったりと、複数育てるつもりであるなら、難易度が高いです。
水やりのタイミングを同じにできるだけでも、かなりシンプルに育成できます。加えて条件が同じになるので、再現性のある検証や実験もできます。なるべく使う鉢の種類は少なくするというのがポイントだと思います。
水やり
上記の土と鉢が統一できたなら水やりは、かなりシンプルになります。
ビザールプランツ(多肉植物・塊根植物)は基本、南アフリカ・マダガスカル原産か、メキシコなど中南米原産に分かれますが、そのどちらも砂漠地帯か高山地帯で、乾燥気味な環境を好みます。
大体は春から秋にかけて成長するので(北海道であれば5月~9月頃)、鉢底が完全に乾いてから、たっぷりと水をあげます。この期間は、風通しが確保できるのであれば、ジャバジャバあげて問題ないです。北海道だと夏でも一般住宅はそれほど高温になりませんので、休眠させなくても大抵大丈夫だと思います。成長期は、間隔的にいえば3日、4日~1週間程度に1回位の水やり頻度になります。
小さい苗や、小さい鉢だと当然、水やり頻度は多くなりますし、大きい苗や大きい鉢だと水やり頻度は少なくなります。
注意するとすれば、リトープスやコノフィツムなどの冬型植物です。これらは蒸れると簡単に溶けてしまうので慎重な水やりが求められます。あとサンセベリアは水をやりすぎるとダメになってしまうので、他の多肉植物・塊根植物よりも間隔を空けます。水やりは1カ月に1度でいいともいわれている位です。
耐寒性について
ビザールプランツ(多肉植物・塊根植物)は、耐寒温度が10℃~15℃位のものが多いです。
例外的にハオルチア、アガベ、エケベリアなどは、ほぼ断水状態0℃位まで耐えられます。つまり、加温なしの北海道の室内で越冬できます。
センペルビウムに関しては耐寒温度-20℃や-30℃などと言われているように、雪の下でも問題なく越冬できます。(むしろ雪の下になっていた方が野ざらしよりも温度は上がるので安全です)
ビザールプランツ(多肉植物・塊根植物)を安全に越冬させるなら、9月中いっぱい位で新しい苗の購入や、植え替えを控えた方が無難です。根が多少張っていないと、越冬する体力がつきません。冬の間は大丈夫そうに見えても、春になると突然枯れたりする場合もあります。
よりよい育成環境のために(育成ライト・サーキュレーター)
春から秋は、日光量も多く、窓も開けられるため問題ないですが、冬期間については植物育成LEDライトと、サーキュレーターが必要になります。ここも書くと長くなるので、詳細は別記事として掲載します。
補足:新しい苗を迎えたとき
新しい苗を購入したときは、土を完全に落として、葉や根を洗うことをお勧めします。ホームセンターで売れ残っていた苗などは、特にカビ菌やウイルスの温床となっている場合がありますので、可能であればダコニールやベンレートなどの殺菌剤を使った方がいいです。
インターネットオークションや、フリマアプリでの購入品も同様ですが、ホームセンターの建物内で長期間管理されていた苗の方が危険度は高い印象です。
室内で冬期間、風通しが悪いなかで、暖房やお風呂などの影響で湿度が高くなると、急に病気が蔓延したりすることがあります。春、夏、秋は異常がないように見えても、風通しが悪い、日光量が少ない、湿度が高いという悪条件のコンボで、急激にカビや病気が蔓延する事態が起こり得ます。
そういったことの予防にも、殺菌剤の使用は有効です。

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